雨引観音にお宮参りに行った。赤ん坊が何とか一ヶ月乗り切ったので、神仏に感謝を捧げるのだ。
薄暗い本堂に通されて待つことしばし、お坊さんの読経と大太鼓に併せてごうごうと火が燃え上がる...。轟音が建具をびりびりとふるわせ、火の粉が舞い踊り、煙で呼吸も息苦しい悪夢のような状況で、こむぎちゃんは子猫のようにすやすやと眠っていた。
祈祷がつつがなく終了し、山を登って花を手向けた。階段脇に並んだ水子地蔵がこむぎにそっくりだとお義父さん。そうですね、案外だれかの生まれ変わりなのかもしれない。石楠花の花が咲き乱れ、いつものように孔雀があでやかな姿でたたずんでいる。無事に育っていることを感謝して手を合わせた。
山を下りてクルマのドアを閉めると、それを待ってくれていたように大粒の雨が屋根の鋼板をたたき始めた。すると祈祷にはあれほど動じなかったのに顔をゆがませて泣き出す。ああそうか、お腹が空いたんだ。授乳する間は山間の駐車場で停まって待つ。バラバラという雨音を聞きながら、これから梅雨がやってくるなあと思った。

コメントする