科学者のおじいちゃんが亡くなった。
あと何日かで百歳、というところだった。
3月には生誕100周年の記念映画祭も予定していた。
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しかし99歳も100歳も大した差ではない。
誰もが、よくぞここまで頑張ったと賞賛を惜しまない。
好奇心に突き動かされる知的冒険心にあふれた人だった。
お骨は真っ白で比較的しっかりしていた。
まだ余熱のあるお骨をふがしとお箸でつまむと、
白い壺の中にことりと落ちた。
臨月近いふがしのおなかはまん丸になっている。
もうすぐ生まれる僕らの子供は彼の命を引き継いだのだ。
写真のおじいちゃんは黒縁めがねでにこにこと笑っている。
僕は出来たての自分の家族を見せることができてほっとした。
残されたおばあちゃんはまだしっかりしている。
物忘れも多いし耳も遠いが、ちゃんと自分で歩ける。
大勢の孫やひ孫に囲まれてやっぱりにこにこしている。
でもその目はやっぱり真っ赤になっていた。
二人が一人になるってことは貧乏より残酷だ。

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