グロいけど興味深いサイトを見つけた。
Dream Anatomy(英語のみ)
中世の医学書の解説サイト。
日本では江戸時代、レントゲンもCTスキャンも無い時代のものだ。
克明にスケッチされた血管、丁寧にはずされた筋肉、静物画のような頭骨。
身近なのにミステリスな人間の謎に迫ろうという気迫が画面にみなぎる。
木版画、銅版画、エッチングなど手法も様々だし、手で彩色されたものは美しい。
ただ、画家の感性っていうか、絵に対する方法論が宗教画だね。
皮膚をひんむかれた人が自分で自分の皮をうやうやしくめくっていたり、
筋肉組織をあらわにした人がなぜか十字架に張り付けられていたり。
しかもその背景が田園風景など牧歌的に描き込まれたのも多い。
まるで聖書の挿絵そのものだ。
当時の医者ってのは聖職者みたいなものだったんだろうか。
内容を読んでないからワカラン。
でもたぶんだよ、実際絵を描いたのは医者に雇われた職業画家で、
彼らの多くが宗教画や肖像画しかやったことが無かったんじゃないかな。
貴族や豪族といったパトロンに仕える彼らはゲージュツの奴隷であったから、
己の誇りに掛けて作品に向かうはず。
そして自らの美意識と、クライアントの要望に応えるべく、
一目でプロが描いたと思わせるアートにする必要があったのだ。
一発校了にする為だね。
わかるなあ、いらなくてもいい背景まで描き込んでしまうその気持ち。
ウチのクライアント(つまり社長)もシンプルな構図がキライで(隠語で空間恐怖症とも言う)、
画に空間があるとウズウズしてなんか入れたくてたまらなくなるらしい。
ここは広く空けないと主張が不明確になりますよって言ってもダメ。
どうも未完成だって思うらしいよ。
だからなるべく空白が出ないようにして、それでいつもごちゃごちゃになってしまう。
カンベンしてくれと思いながらも自分も空間恐怖症がうつりそうで怖い。
あと、やっぱり人が描いたラインって美しいね。
自分も仕事でイラストを描いたりするけど、
やっぱりプロのイラストレーターには敵わない。
美は細部に宿るって言うけど、隅々にかける気迫が違う。
プロは他人に描けない物を描くことが仕事だし、
すっと引いたそのヘアラインがオリジナルだったりする。
しかもそのクオリティと同時にスピードに応えることも要求されるわけだ。
効率や手離れの速さしか評価されない今の仕事環境は良くはない。
もちろん本を出してナンボの出版業界だから仕方がないんだけど、
それをデザイン重視に会社の方向を持ってこようと色々頑張ってきた。
でも締め切りやイベントもあるし、限界がある。
時間や予算をくれたら良い物を創れるのは当たり前。
それが無くてもまわせるのがプロの仕事。
しかし会社だ環境だと言っても、なにより自分にアイデアが湧かないのがつらいのだ…。
凡人である事を日々痛感する。

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